【ちちぶの人インタビュー 秩父市長:久喜邦康さん】スクープ!移住促進課の新設で加速する近移住(ちかいじゅう)


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出遅れていると感じる行政の情報発信

─── では、今お伺いした「魅力」について、秩父市では現在、外部への発信が十分なされていると思いますか?

そうですね、発信については2つの課題があります。
1つ目が、行政の発信手法の遅れです。
SNSの活用もやってはいるものの、まだまだやり方は後れを取っていると思います。
もっと上手に活用をしていくべきなのですが…

あ、私個人のFacebookの話ですが、ちょうど昨日(2016年8月30日)、SNS活用でうまく情報発信できた良い例があります。

私は、市長の仕事というのは広報活動が大きな役割だと思っています。就任(平成21年)から毎日、市長ブログを書いていますし、それだけでは全然足りないですからFacebookを始めました。Facebookでは、行政とは別に「個人」として日々行っている活動を発信しています。

それで、この投稿ですが、ものすごい反応があったんです。

※24時間テレビのマラソンを終えた「林家たい平」さんが秩父市へのメッセージを届けに来られた際の、市長・たい平さんツーショット写真。これをFacebookに投稿されていました。

なんとシェアが188、いいねも845と驚異的な反応です。しかも、まだ24時間たっていないでこの数値。

林家たい平さんから送られたメッセージの実物

林家たい平さんから送られたメッセージの実物

こういうSNSのタイムリーな使いかた、これが必要なんです。
例えば、昨日も台風が近づいてきているときには、「川の状況がどうか」などの動画を投稿してシェアをすればよいと思います。

でも、自治体はこれができていない、知らず知らずのうちに、これは行政が「できる」「できない」という敷居を作ってしまっている気がします。

ただ、私個人でやる分にはどんどん発信して、「こういう危険な状態が迫っている」などは知らせていくことが良いと思うんです。そういったフットワークのいいSNSの使い方をしていくべきなのですが、この点で後手になってしまっているというところだと思っています。

 

─── 情報発信の観点のもう一つの点はどうですか?

そうですね、もう一点は秩父発の媒体(メディア)が無いことだと思っています。
最近秩父もテレビでの露出が増えているじゃないですか。今日もテレビを観ていたら長瀞が取り上げられていましたし。外から発信してくれているのはありがたいことです。

そして、メディアの次の手としては「市報」があるんです。紙ベースで流れているものですが、これにも課題はあります。
市報の発信している内容は終わったこと、つまり「出来事」ばかりなんですね。

たとえば、どんなイベントが開催された、とか、こんな集まりをした、など。これを観光の視点でもっと情報発信しても良いのかなと思います。例えば、このあたりにそば屋がいくつかでき始めているとか、秩父ではじめてのシェアハウスができているなど。
今まで行政が扱ってこなかった情報を取り上げていくことも大切だと思います。

もう一つ思っていることが、ケーブルテレビのような媒体が無いことです。

昔、秩父テレビというケーブルテレビがありました。10年前、このテレビ局がなくなってしまうことに対し、非常に寂しい想いをしたのを覚えています。
今となっては、秩父がこれだけ外部から取り上げられるようになりました。
つまり題材はいくらでもあるんです、なにせ365日毎日祭りがあるのですから。

テレビ放映できる題材があるのに、報道手段がないというところに、ジレンマを感じてしまいます。かといって、テレビ局をやろうといっても、これには莫大な費用が必要。行政がやるべきことがどうかも難しいところなんですね。

そういった秩父から発信できるメディアができるようになってほしいと思います。出来る方法があれば、行政が応援できる仕組みになってもいいかもしれない。

こういうことを考える背景の一つに、秩父の高齢者のテレビ視聴率が圧倒的に高いことが挙げられます。例えば大滝地区の高齢者比率は50%以上です。
その高齢者が何をしているかというと、テレビを一日中見ています。

そういった場所でyoutubeを流すなどの、電波ではない通信手段で情報を届けるのも良いと思っています。
例えば、先ほどの「林家たい平さんが秩父に来た」という情報もインターネットやっている人には届くのですが、高齢者の方々には全く届いていません。
実際、たい平さんの投稿を行った夜、高齢者が集まる会議でその話をしても誰も知らなかったんです。

だから、ローカルテレビ局があれば、こういった情報をすぐに流してもらう、そんなことも可能になります。
秩父は、そういう方法論は本当に飢えていますね。それこそ、当時はケーブルテレビでしたので、面積の広いこの秩父でケーブルをいきわたらせるのも大変でした。今はwifiのような技術もあるから、やり方次第ではあたらしいインフラで先ほどのような情報発信ができるんじゃないかなって、前々から考えています。

 

─── 例えば、DVDにして月一のビデオ市報にしてもいいかもしれませんね。

ああ、それはいいですね!高齢者の方々は市報を本当によく見てくれています。でも、目が良くない方も多いですから、情報を隅から隅まで見れていません。だから音声や画像・動画で届けるのは取っても良い方法だと思います。ちょっとやり方を考えてみましょう!いい考えです。

 

─── お年寄りの方々が毎日テレビを観ていても、その情報が東京のものだったり、見知らぬ場所の情報というのは少し寂しいですからね。

そうですね。お年寄りの方々もテレビは唯一の娯楽で外とつながる数少ない手段の一つです。だからテレビを使った情報の発信は大切になると思います。

大スクープ!市民の意見で「移住促進課」が前向き検討へ!

─── 少し時間が押してきていますので、最後の質問です。秩父市で移住促進の政策などは考えていらっしゃいますか?

先日、内田さんとお話した内容をもとに、来年度に秩父市で「移住促進課」を作ることにしました。すでに指示をして動き始めているところです。

 

─── おお!それはすごい!具体的にはどのような形で進めようと考えてらっしゃいますでしょうか。

そうですね、地場産センター内に設置をして、市長直轄でプロジェクトを進めていくイメージになりますでしょうか。

—現在秩父には2名の地域起こし協力隊員がいらっしゃいます。市長の発言はこれを補完・拡充するもので、市長直轄ということからも、大きく力を入れていく決意がうかがえます

 

─── なるほど、それは楽しみです!時間ですね、本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。

はい、お二人もぜひ頑張ってください!

 

今回、秩父市長に話を伺って感じたことは、移住者に対するウェルカム姿勢であるということ、そして情報発信の課題認識を強く持たれていること、ですね。
いろんな角度で存在する秩父の魅力、それらを発信する手段の一つとして、「ちちぶる」もさらに魅力発信できるように頑張っていきたいと思います!

最後は三人で記念撮影

最後は三人で記念撮影

久喜邦康さんのプロフィール
昭和29年 秩父生まれ。
昭和63年久喜医院開業、平成18年秩父市議会議員選挙に立候補しトップ当選
平成21年秩父市長選挙に立候補し当選
平成25年5月1日より第2代目秩父市長として職務に精励し現在に至る

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