こんにちは、編集長のあざみっくすです。
2017年4月、秩父・影森にデイサービス「ラスベガス」がオープンしました。一般的なデイサービスと違い、少し特徴のあるこの「ラスベガス」。特に男性の高齢者の方から好評で、今までデイサービスには行きたくなかったけど、「ラスベガス」には行きたい!という声が多く上がっているそう。
「ラスベガス」は2017年3月にオープンしたデイサービス施設。
なんとカジノや麻雀と行った娯楽を楽しめる、珍しい設備の整った施設です。
高齢者の方同士で談話をしながら麻雀を打つ様子。とても盛り上がっていました!
カジノや麻雀は得点を競って、その日のチャンピオンを決めています。これがかなり好評な企画で、毎回選ばれた方は、とても喜んでいるそうです。
利用者の一人、新井さん。「ラスベガスができて、行きたい場所ができた。居心地が良い場所で楽しい」と語っていらっしゃいました。
この、デイサービス「ラスベガス」を立ち上げたのが、若干24歳の三澤さん。
今回のちちぶの人では、徹底的に利用者目線を大切にし、施設を作ってきた三澤さんに、この施設にかける想いを伺いました。
利用者目線に立っていないデイサービスばかりの秩父にチャンスを見出す
- 本日はよろしくお願いします。最初に「ラスべカス」はどのような場所か教えていただけますか?
「ラスベガス」はいわゆる高齢者向けのデイサービス施設です。要介護者となった高齢者の方が日中に訪れ、娯楽や他の方との交流を楽しむ場所ですね。
「ラスベガス」ならではの特徴としては、カジノや麻雀が楽しめるという点。普通、デイサービスというと、折り紙をやったり、歌を唄ったりするところが多いのですが、ここでは、全く新しい楽しみ方を提供しています。
- なぜ、そのような施設を作ろうと思われたのですが?
そうですね、一般的なデイサービスは男性がくつろぎづらいことが多く、実際、デイサービスに通うのも圧倒的に女性が多いんです。やはり、折り紙とか歌を唄ったり、というレクリエーションが男性には合わないんでしょうね。
そこで、男性の高齢者でも楽しめる場所を作りたいという想いが湧き上がり、「ラスベガス」の存在を知ってこれを秩父でもやろうと思いました。
- 秩父でそのような新しい場所をはじめるに当たって、不安はありませんでしたか?
ないことはありませんでしたが(笑)。ただ、いろいろ調べていく上で、秩父ならいける、とも思いました。
秩父には50以上のデイサービスがあるのですが、どこも似通ったもので、男性の利用者が圧倒的に少なかったんです。やはり、男性はデイサービスには行きたがらない、というケースは秩父でも当てはまるようで。
ここに「ラスベガス」を作れば、必ず利用したい、という方はいるなと思いました。
- なるほど、ビジネス的にもチャンスがあったのですね。デイサービスを始めて、反応はいかがでしたか?
そうですね、ぼちぼち、といったところかと思います(笑)。実際に、「ラスベガス」の利用者の9割が男性で、当初想定していたターゲットが利用してくれていると思います。利用者の方も、「今までは行きたいと思える施設がなかった」「ここに来ると楽しい」「心地が良い」といった感想をいただいています。
- おお、デイサービスに通うのを好まない男性の方からそのような反応があるのは、うれしいですね。
はい。我々スタッフも、利用者の方の目線で対応させてもらっているので、そこも心地よく感じてもらえる点の一つなのかなと思います。
- といいますと?
あくまで一つの例ですが、僕たちは利用者の方に対して、赤ちゃん言葉を使ったりすることはありません。よく、デイサービスでも利用者の方に赤ちゃん言葉を使っているところを見たりするのですが、僕たちは決してそのようなことはしません。
やはり、人生の大先輩である方には敬意を払って接したいと思っているからです。
あとは、自分が逆の立場になった時、そうされたら嫌ですからね(笑)。そういった意味でも、利用者目線に立つことを徹底をしています。
- なるほど、そういった細かい気遣いが、利用者の方の居心地の良さを生むんでしょうね。
未経験でもなんとかしたい、という想いが先だった
- 三澤さんがデイサービスを始めたきっかけ、について教えていただけますか?
もともと、自分は整骨院に勤めていたんです。というのも、子供の頃に野球をやっていたのですが、怪我に苦しみまして…そこからスポーツトレーナーを目指し始め、体に関する仕事を考える中で、整骨院に勤めることになりました。
- 整骨院での勤務経験が、なぜデイサービスに繋がったのでしょうか?
整骨院に通っている人の多くが女性だったのですね。それで、男性はどのようにしているのかと調べると、あまり整骨院に通わないらしく。男性の方が通いづらい場所は他にもデイサービスがあることを知りました。もともと、地元の秩父で事業をやりたいという想いがあったので、そこから秩父でデイサービスをやる、という選択肢が生まれました。
- 最終的にデイサービスをやろうと思われたのは、どのような理由でしょうか?
やはり、秩父には利用者目線に立ったデイサービスがほとんどなかったんですね。特に男性はデイサービスに楽しみを見出せていないことがほとんどだったので、ここで「ラスベガス」を始めたら、多くの男性の高齢者の方に利用してもらえるんじゃないかって思ったんです。
ただ僕は、介護は全くの素人。未経験だったんですね(笑)。それでも、秩父のデイサービスの状況を知ってから、「なんとかしたい!」という想いが強くなり…
考えるより、まず先に行動を起こしました。
- なるほど、20代でしかも未経験の事業を始められたのが本当にすごいですね。
いえいえ(笑)。ちなみに、「ラスベガス」のスタッフは全員20代です。若い力で秩父のデイサービスを変えていきたい、と志の近い仲間を集めてスタートしました。やはり、若い人で活力のある姿を見せた方が利用者の方にも元気を与えられるし、何よりも若者だけでこの業界に一石を投じて、良いサービスを提供できるようにしていきたい。そんな活動を見てもらいたいなって思っているんです。
それが同年代の刺激に繋がって、さらに秩父がよくなっていったら良いなと。
- 素敵な志ですね。
やりたいと思えることを存分にやってもらう場所にしていきたい
- 最後に、今後「ラスベガス」の目指すものを教えていただけますか?
そうですね、「元気に過ごせる場所」「いきたい!と言われる場所作り」を目指していきたいですね。
- といいますと?
デイサービスをはじめて色々な方からお話を伺ってわかったのですが、デイサービス=介護施設というイメージだけで、アレルギーが出てしまう人がいるんですね。
気持ちは元気なのに、なぜ介護施設に行かなければいけないんだ…と。
でも、気持ちは元気であればできることはたくさんあります。カジノや麻雀でも、利用者の方が「やりたい!」と思えることを存分にやってもらうことが重要だと思うんです。
ポイントは、要介護者になっても、僕らがいかに「やる気スイッチ」を押せるかどうかだと思うんです。
- 「やる気スイッチ」ですか…
やりたくないことをやらされる場所、というイメージが高齢者の方の足を遠のかせている、これが一般的なデイサービスの課題です。
それはそうですよね、誰だってやりたくもないことをやるのにわざわざ出向きたくありませんから(笑)。でも、実際に男性の高齢者が存分に楽しめる場所は「麻雀ができたり、カジノができる場所だったりするんです。
こういった場所を作ることで、「いきたい・通いたいデイサービス」を実現できるわけですね。
- なるほど、高齢者の方のやる気スイッチを押すのが三澤さんたちのお仕事の本質なんですね!とても興味深いお話、ありがとうございました!
利用者の方の目線をしっかり持って、場作りをしている姿勢がとても興味深かったです。秩父における新しい介護のあり方として、ぜひ今後も頑張って欲しいですね!
三澤 颯さんのプロフィール
1994年生まれ 秩父市出身
小学生から野球を始め高校は野球推薦で入学するもケガに見舞われそれをきっかけに卒業後福祉関係に勤める。
2015年 有限会社三笠商事福祉事業部を立ち上げる 現在はデイサービス運営の他に講演活動も行い一年間で延べ1000人もの住民を集める。
現在は複数の行政と業務委託契約や企業向けセミナー、大学教授との共同研究なども積極的に行う。
「ラスベガス」の概要
施設名 | ラスベガス |
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ジャンル | デイサービス |
住所 |
埼玉県秩父市下影森858番2号 |
アクセス | 利用者は送迎あり |
営業時間 | 9:00〜18:00 |
定休日 | 土・日 |
問い合わせ先 | 0494-26-7845 |
参考サイト | 公式サイト |